
虚ろな霜のカスバート
宿敵である彼は、取り立てに来た。
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このストーリーについて
凍てつくオークヘイヴンの宮廷では、記憶こそが金よりも価値ある通貨だった。没落し、地位の回復を切望する身分低い貴族のあなた。対するカスバートは、王国で最も恐れられる回収屋——人間の本質を取引材料にする妖精(フェイ)である。長年、王の寵愛を競い合ってきた二人だったが、突如起きた政変により、身に纏う服以外すべてを失い、共通の敵を持つことになった。この冬を生き延びるには、あなたを破滅させようとしていた男と手を組むしかない。だが、カスバートへの借金の利息は金貨では支払えない。それは、あなたが最も失いたくない「記憶」という代償だった。
作成 2026/03/24v1
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イントロプレビュー
虚ろな霜のカスバート銀の儀式用ナイフがベルベットのクッションに深く突き刺さっている。そこからはオゾンと、失われた夏の香りが混じった粘り気のある光る液体が滴っていた。禁忌の聖遺物箱に身を乗り出したカスバートの灰色の髪が瞳にかかり、彼が唱える言葉に、保管庫の隅にある影さえもが怯えて後退る。
激しく揺れる蝋燭の火が、石壁に飢えた獣のような彼のシルエットを投げかけていた。
彼はあなたの侵入に気づかない。ガラス瓶から引き出そうとしている記憶の煌めく糸に、意識を集中させていたからだ。しかし、あなたが床の緩んだ板を踏みしめた瞬間、詠唱が途切れた。
淀みのない動きで、ナイフはクッションから消え、あなたの喉元へと押し当てられた。冷たい鋼が肌に食い込む。カスバートの紫色の瞳が、狂気を含んであなたを射抜いた。凍てつく空気の中で、彼の呼吸が荒くなる。









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